7/10(日)スピッツ×ミスチル

そのアナウンスは突然で、2012年7月14日ap bank fes(つま恋)から4年という短いスパンでスピッツ×Mr.Childrenは実現した。

2016年7月10日(日)
ロックロックこんにちは!20th Anniversary Special ~R2 need U, I need U~
キュウソネコカミ / Spitz / Mr.Children / MONGOL800
大阪城ホール

Mr.Children
01.名もなき詩
02.Tomorrow Never Knows
03.HANABI
04.花-Memento-Mori-
05.しるし
06.FIGHT CLUB
07.箒星
08.innocent world
09.足音~Be Strong

スピッツ
01.メモリーズ・カスタム
02.海とピンク
03.涙がキラリ
04.甘ったれクリーチャー
05.愛のしるし
06.スピカ
07.みなと
08.ロビンソン
09.虹の彼方へ
10.渚
11.エスカルゴ
12.8823
13.野生のポルカ
EN1. 僕のギター
EN2. 醒めない

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※キュウソもモンパチも最高だったけどスピッツミスチルにソートしたレポです

とにかく4年前の記憶が愛しくて、笑えるけどそれを糧に生きてきたところがある。その時はとにかくスピッツが美しかった。

つま恋の日の出すごいキレイだな...」から「心と心を繋いでる微かな光」までのアクト90分間というより、あの日の時間、場所、風の吹き方、雰囲気、オーディエンスすべてがスピッツのために用意されたのであるのではないかと錯覚した。

突然寂しくなった帰りの夜行バス、10年越しに聴けた「運命の人」をイヤホンから流して嘘みたいに涙も出てきた。それくらい人生で大事な過去となっている。

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だから、2016/7/10も絶対に行かないと後悔すると思ったし、それは人生における義務だと思った。人生はフルコースで味わっていこう。

一方で、4年前よりまったく実感と緊張感がわかなかった。4年前イマイチに思っていたミスチルは完全復活を遂げたし、スピッツは相変わらずバンドとしてより活き活きとしている。そもそも今のミスチルがロックバンドとして健全であることが夢のようだったから、彼らがスピッツ主催のフェスに殴り込みに来るという構図が夢のようだった。夢過ぎて、想像を膨らましても、嘘のように思えてしまう。

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実際のところ、2016/7/10は想像を超えてきた。
トップバッターはMr.Children。それを知って会場はどよめいた。この日はミスチルファンも多かったから「ミスチルが前座ってどういうこと?」という困惑に似た雰囲気もあった。そもそもこの世界にMr.Childrenを自分たち主催のフェスに呼びつけて、トップバッターでヨロシクと言えるのはスピッツだけだ。この時点ですでに神々の遊びは始まっている。そして、選曲は90年代の代表曲が中心だった。全9曲中4曲がミリオンヒット。容赦ない、ミスチルの存在証明だった。このアクトに「Marshmallow day」「fanfare」「擬態」「365日」「エソラ」といった曲は一切必要なかった。

桜井さんの拭い去れないスピッツ愛とミスチルメンバー全員から漂う「俺らロックバンドだから」というギラギラしたオーラ、それが反映された演奏。そして、90年代の代表曲を惜しみなく放出する大人げなさも良かった。

そして、それに意外な形で迎合するスピッツもまた反則だった。まったく切り口の違うセトリをお互い組んできたけど、それもバンドの違いを表していたし、おなか一杯楽しめた。

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やっぱり4年前と同じで、終演後は心の処理がまったく追いつかなかった。
終演後は、会話こそあるものの、断片的な言葉が口から出るにとどまる。
当日から20日あった今、やっと心が落ち着いた。いろんなライブに行くけど、ここまで感情の沸点が煮えくり返るのは、スピッツ×ミスチルだからこそ。

これから先も違う道を歩み続けるだろうスピッツミスチル
比べるのは野暮だという人も多いだろうけど、やっぱり似ているところも多い気がしている。両バンド好きな人が多いってのは、そういうことだと思う。

絶対にまたスピッツ×ミスチルが生きていれば発生する案件だと思う。当日の記憶とその希望を糧に生きていける。

平凡だけど7/10に大阪城ホールに出向ける人生を用意してくれた過去の自分にひたすら感謝している。
4年前にどんなに苦しいことがあっても生きていこうと思った過去の自分のように、今の自分も将来の自分が喜ぶような生き方をしようと決意を新たにした。

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下記、時間軸に沿った簡易レポ。

Mr.Children
1曲目「名もなき詩
ステージからみて右側の関係者席をひたすら睨む桜井さんが印象的だった。
"いろんな事を踏み台にしてきたけど失くしちゃいけない物がやっと見つかった気がする"は勝手にap bank スピッツへのカウンターだと思ったし、あの日があったから、今のミスチルがあるんだなと本気で思っている。

2曲目「Tomorrow Never Knows
ap bank スピッツに似たミリオンヒットの乱発。
2曲続いて虹ツアーでも演奏された曲だけど、やっぱり響き方が抜群に昔と違う。すっと心に入ってくるし、やっぱりミスチルらしいなって思う。

―MC―
・楽しみすぎて3時間くらいしか寝てない。
・久しぶりのスピッツとの対バン。
・大好きなスピッツだけど、ともに音楽業界を一緒に走ってきたライバル。いいとこ見せたい。
たぶん用意してきたMCではない、心からのメッセージだった。4年前の桜井さんとは全然違うなって思った。4年前はスピッツ後に出てきた桜井さんは目がウツロで焦ってて、動揺しているようにみえた。

3曲目「HANABI
サポートがサニーになって蘇った1曲。
この曲から続く静かな曲で会場を温められるのがミスチルの強いところだよ。

4曲目「花-Memento-Mori-」
トドメのミリオンヒット。(チェリーと同日発売)
ライブでは初遭遇、しかも深海verでかなりうれしかった。
間奏で炸裂する田原さんのギター、後ろから射す赤い照明。

5曲目「しるし」
正直、イントロでがっかりしたんだけど、その思いは曲が進むにつれて消えていくことになる。僕の知ってる「しるし」はピアノに染まった流行歌。でも、この日の「しるし」は映像でみたことがあるピロウズの対バンツアーで初披露された時のような、ガツガツのロックバラードだった。7分というミスチルの中でも群を抜いて長い1曲だけど、本当にあっという間に感じた。

6曲目「FIGHT CLUB」
ここから後半戦。曲入りがサニーによりアレンジされる。トマトツアーの「ランニングハイ」のようなイメージ。
スピッツとの対バンで、「未完」か「FIGHT CLUB」」どっちか1曲が演奏して欲しいと思ってたから、なお嬉しい。このセトリ唯一のアルバム曲。
イントロと間奏のギターパートで桜井さんと田原さんが楽しそうにしているのが良かった。
そして、最後の「ともに今を生きていこうか my friend」の"my friend"で我慢できずにシャウトする桜井さんがすべてを表してた。

7曲目「箒星
「エソラ」でも「擬態」でなく「箒星」を選ぶ今のミスチルを愛している。
ギター持つ?って一瞬思ったけど、相変わらず猛ダッシュを決めるミスターマイセルフ。

8曲目「innocent world」
「エソラ」でも「擬態」でなく「innocent world」を選ぶ今のミスチルを愛している。
もう、ドラムが鳴った瞬間から最高潮。
間奏でベース→ギターとソロでそれぞれメンバーしっかり見つめる桜井さん。
変わり続ける 街の片隅で 夢の破片が 生まれてくる 今にも そして僕はこのままで 微かな光を胸に 明日も進んで行くつもりだよ いいだろう? mr. myself
が心に響いた。

―MC―
・数日前に風邪をひいた。
・出演キャンセルも覚悟して手続き(謝罪コメント)まで踏んでいた
・でもゴキブリ食べても良いから治したかった。
・(結果治ったけど)、それくらい今日のスピッツに呼ばれたロックロック出たかった
・本当に楽しかった。
・僕らの大事な曲をお届けします

9曲目「足音~Be Strong」
ブルーフラワーのギターがかっこいい。
気合の入った足音でした。

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スピッツ
1曲目「メモリーズ・カスタム」
ロックバンドですという名刺変わり程度に。
田村氏、いつもに増して元気です。

2曲目「海とピンク」
ミスチルと打って変わって、我が道をいくように曲を続けていきます。
夏らしい1曲。
1stアルバムの曲をこうして今も小出しにやってくれるのは嬉しい。

3曲目「涙がキラリ」
99万枚ヒットの破壊力、会場のざわめき感。
2012/7/14の記憶が更新された瞬間でもあった。

―MC―
・「ロックロック?」「こんにちは!」
・ありがとうございます。スピッツは数少ないコールアンドレスポンスの場面です
その後ミスチルとの思い出を語りいつも挨拶

4曲目「甘ったれクリーチャー」
マサムネさんの記憶から『スーベニア』が蘇った今は無敵です。
ひたすら拳を振り続けました。


5曲目「愛のしるし
2011年のロックのほそ道1日目振り?
マサムネさんがアコギ使用でした。

6曲目「スピカ」
同日同時刻、東京某所で催されている結婚式2次会を思い出す(笑)
ファンクラブツアーでは定番になっちゃったけど、夏イベントでは貴重な1曲

7曲目「みなと」
マサムネさんが白いエレキギターにチェンジ。
予想通り、みなとが始まります。
凄まじい求心力で、2番のドラム入る前に果てそうになった。
間奏の口笛はマサムネさんが担当。

8曲目「ロビンソン」
本日のミリオンヒット枠。
「チェリー」でも「空も飛べるはず」でもなく「ロビンソン」というレア選曲と、みなとの後というシチュエーションが相まって、とても感動した。
声も絶好調、亀の恩返し以来に感じた。

9曲目「虹の彼方へ」
何のコメントもなしにそれは始まった。
「このイントロ何だろう?」と一瞬フリーズする。頭の中のスピッツ曲目リストで検索するもヒットしない。ってことは....とミスチル曲目リストにチェンジしてすぐヒットした。
まさに、現実が理想を凌駕した瞬間。マフラータオルはどこかに吹っ飛び、謎のハイタッチを決めてその4分間を楽しんだ。

廻り続ける この世界に
取り残された夜 いくつもの瞳が
あてのない 夜明けを探して
さまよってる
は完全にスピッツのそれだった。

10曲目「渚」
心の動揺が収まらないままライブは続く
とにかく青の証明が美しい
思えばみなとも渚のそれと同じ手法なんだなと思った

11曲目「エスカルゴ」
12曲目「 8823」
13曲目「 野生のポルカ
いつメンを演奏して本編は終了です。
田村が久々にベースの弦を千切りました。

EN1「僕のギター」
さざなみOTR振りのご対面。
フェスティバリーナで聴けなかったので、かなりうれしい。

EN2「醒めない」
テツヤがゴールドトップ使用してて涙することになる。
あの繊細な後で、あの間奏アルペジオは唯一無二だ。
見知らぬ人が 大切な人になり
相性悪い占いも 余計に 盛り上がる秘密の実
って歌詞は狙ってるんだろうけど、とても好き

そして、新アルバム『醒めない』が"最高"を更新している。
こうやってブログに残すのは、誰でもない将来の自分のためってのが一番ある。
日が経ったけど、7/10に関しては絶対に文字に残したかったので、投稿出来て良かった。とにかく2016年が楽しい。ミスチル野音小沢健二ゼップでも衝撃だった。そして、醒めないツアーが楽しみで仕方がない。20代も後半戦に突入してもなお10代のころ好きだった音楽を聴いている幸せ。しかもライブにも足を運んで心から楽しいと思える幸せ。