LUNKHEAD ONE MAN LIVE 2013"影と煙草と僕とAX"
1年振りにLUNKHEADのライブに行った。
活動休止のような状態になっていたので、1年振りの復帰ライブだ。
「戻って来ました!あなたのふるさとLUNKHEADです」
という、少し笑えてもしまうくらい真っ直ぐな第一声が、彼ららしくて心を掴まれた。
「あなた」という1人ひとりの「個」の心に届く音楽が、2時間45分に渡って繰り広げられた。
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【セットリスト】
01.東京にて
02.白い声
03.闇を暴け
04.音のない部屋
05.誰かじゃなくて
06.潮騒
07.狂った朝
08.WORLD IS MINE
09.月光少年
10.共犯 (新曲)
11.プルケリマ
12.夏の匂い
13.サイダー
14.シンドローム
15.十六夜の月の道
16インディゴ
17.ぐるぐる
18.生きているから
19.スモールワールド
20.僕と樹
-ENCORE-
21.閃光 (新曲)
22.体温
23.きらりいろ
24.カナリアボックス
-ENCORE-
25.明日
26.前進/僕/戦場へ
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ライブを終えて、本当にランクヘッドというバンドは本当に不器用で、愚直で、かっこ悪くて
―そんなバンドが堪らなく好きなんだと思った。
LUNKHEADは名前の通り愚かで、泥臭くて、真っ直ぐで、カッコ悪くて、愛らしい。
— tksmstm (@tksmstm) 2013, 6月 9
だからこそ彼らは放つ音楽は、心に届く。この感じは、最近の若手とは志向が異なり、泥臭くて、恥ずかしいくらい生き抜く、人間くさい。それが好きだ。
— tksmstm (@tksmstm) 2013, 6月 9
そして、『音楽と人』編集長である金光裕史氏のツイートが核心に迫っていると感じた。
LUNKHEAD、今日のAXは素晴らしかった。バンドが信じたものをただひたすらにやってるだけなんだが、それが良かった。なんか動かされた。あとは原稿で〜。
— 金光裕史 (@kmHF1968) 2013, 6月 9
セトリを追ってピックアップすると、「東京にて」で幕開けするというドラマチックな展開だった。中盤では念願の「プルケリマ」も観ることができた。
盛り上がりの絶頂の終盤はニューシングル「生きているから」「スモールワールド」とあたためてからの「僕と樹」というこれ以上ないステージだった。
夏の匂いを演奏したのも粋な計らいだと感じだ。
カルビー「夏ポテト」CM - ランクヘッド「夏の匂い」 - YouTube
1回目のアンコールは「体温」「きらりいろ」「カナリアボックス」という大サービスでビックリ。
と、書きつ連ねても、ほとんどの人は「誰?」状態。
それが、厳しいけどLUNKHEADというバンドのリアル。
10年経ってこの知名度、決して恵まれてないけどフラカン・コレクターズ・ピロウズ・Theピーズあたりみたいに図太く生きてくれると信じてる。
正確には、知名度はあったと思う。5年前くらい、クラスの"自称ロック好き"で「次はRADWIMPSかLUNKHEADの時代だな!」なんて話してた記憶もある。
邦楽好きで、ロキノン系を愛して止まない人なら一度は名前を聞いたことがあるはず。むしろ、「ランクは夏フェスとか出なくなったし自分達の世界を築いて、それこそまさにロッキンにでなくなったバンプの縮小版みたいな活動してるかと思ってた。正直、ココまで"落ちている"とは思ってなかった」と声をもらったことがある。
僕自身も、何故か聴かなくなっていた。でも、セルフカヴァー(ベスト)アルバムが出ることを知り、当時の新譜を買い、レコ初ツアーに初めてライブにも行った。
そういった流れで今またファンに戻って、以前より好きになっている20代半ばの人は多いのではないだろうか。
そういった意味では、険しい道のりだけど、15thに向けて先は明るいし、何よりもバンドが常に進化している。楽しみだ。
ビクターは、サカナクションと星野源だけじゃなくて自分達が抱えている中堅バンド(ランクヘッドに関わらず)の潜在的需要の芽を摘むようなことはしないでほしい。
もちろん、本人たちにも「自分達が信じていることを貫く」ことと「メジャーで生きる以上、セールスを残す義務」があることの狭間に、立たされていると思う。
どう答えを出すのか、そのターニングポイントであることは間違いない。
ずっと応援したいバンドだから、しっかり乗り越えて欲しい。